今さらながら人間失格を読みました。主人公の優越感と劣等感がないまぜになった感情から、ひねり出される言い回しがおもしろくて随所で笑いました。句点を打たずに間延びした文もこじれ具合を感じさせてよかった。

タイトルからもっと暗い話を想像していたけど、それは最後の方だけで現代でも通じる脳内こじらせが楽しかったです。個人的にはコメディのように思えて、のちに自殺する人が書いた作品のように思えなかったなあ。

人を見下したかと思いきや自分を卑下したり。容姿はいいはずなのに自信がなく陰キャ。ぼっち・ざ・ろっく!にちょっと通じる感じもした(笑)

舞台は1930年代のようだけど、バーで飲んだくれたり今と変わらない感じもあり、アブサンなんてリキュールも出てきたのは意外でした。アブサン、ちょくちょくバーで飲みます。胃がスッキリするのでおすすめです。