サランラップに思う大規模言語モデル人工知能の限界

またサランラップが中途半端なところで切れた。またイライラする復旧作業をしなければならない。大規模言語モデルの人工知能は、中途半端なところで切れないサランラップを作れるだろうか?

大規模言語モデルでは十分な規模の学習モデルがないと人工知能として十分な働きをしない。テキストの情報はインターネット有志以来、膨大な積み上げがある。ブログ、SNS時代以降、写真も豊富にアップロードされている。

こういう十分な学習モデルがあるものに関しては、大規模言語モデルは有効に働いてくれる。ChatGPTに「こういう料理を作りたいが、材料は何がいいか?」といったことまで答えてくれるから驚きである。

しかし、中途半端に切れないサランラップの作り方を大規模言語モデルが答えを出してくれるかというと厳しいように思う。なぜならそれに関する学習モデルがウェブに十分にないからだ。

サランラップが破れた時、どのような角度で切ろうとしたか、どれくらい力をかけたか、といったデータが十分あれば、中途半端に切れる確率を大幅に下げるサランラップを発明してくれるかもしれない。

消費者の体にセンサーをつけてサランラップを使った時の動きをデータ化してクラウドにアップロードすれば、十分なデータを取れるかもしれないが、現実的に厳しいように思う。

サランラップに限らず、動きに関するデータ(モーションデータ)はウェブに十分にはない。つまり大規模言語モデルにとっての教材が不足している状態だ。なぜ不足しているかというとユーザーがアップロードするインセンティブがないからだ。

企業がユーザーにお金を払ってモーションデータを集めることもできるが、Wikipedia、ブログ、SNSのように、ユーザーが自発的にウェブにアップロードするデータ量と比べると圧倒的に少ない量になるだろう。

大規模言語モデルの人工知能は、人間の面倒事を色々代替してくれそうだけど、学習モデルを十分に取れない領域には限界もありそうだと思う次第。