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私に思い出が少ない理由を自己分析してみた

最近、他人を観察して気づいたことだが、私は子供の頃の思い出が人より少ないようだ。もちろん子供の頃の記憶が全くないわけではない。ただ特徴的に思うのは、その時に抱いた感情の記憶がほとんどないことである。

例えば「私が小学生の頃、どこどこの川で誰々君たちとよく釣りをしていた」といった状況の記憶はある。大きなナマズが釣れて友達と騒いだ記憶もあるが、その時の感情は再生できないし、友達と何を話したかも全く思い出せない。

ある出来事の記憶は状況の記憶と感情の記憶に分けられると思う。状況は「いつどこで誰と」、感情は「その時どう感じたか」である。よって状況は覚えていても、その時抱いた感情は覚えていないといったことは誰しもあるはずだ。

状況の記憶だけでは思い出とは言わないだろう。状況と感情の記憶がセットになって思い出と言えるのではないか。私の場合、感情の記憶が状況の記憶よりも早めに失われてしまうようだ。だから人より思い出が少ないのだと思う。

子供の頃と書いてきたが、よくよく振り返ってみると高校生時代およびそれ以前の記憶について今まで書いてきたことが該当する(高校を卒業したのは30年前)。また抱いた感情を覚えていても、その感情を今になって再生できないというのもある。

トラウマがあって思い出したくないから記憶を封印してしまったとかではない。高校時代は友達もいたし学校へ行くのは楽しかったと記憶している。だからぼやっと楽しく過ごしたという記憶はある。しかし具体的に「高校時代一番楽しかった思い出は何ですか?」と問われると何も出てこないのだ。

出来事が長期記憶として残るか否かは偶然もあるが、基本は脳が生きていく上で重要と判断した出来事が長期記憶となるはずだ。私は共感力が人より低いことも自他の観察で把握しているが、この低共感が感情の記憶を重要でないと判断し早めにデリートしてしまうのではないか。

自己分析して我ながら寒々しいものを感じてしまうのだが(笑)、長所もあると思う。思い出が少ないから、あまり過去を引きずらず基本は前向きでいられ、脳のメモリに空きがあるから歳をとっても好奇心が衰えないのかもしれない。