私が20代の頃、ストリートファッションが流行り始めた。私もダボい服装をしていた(笑)あとアメカジも好きだった。

あれから20年以上経ったけど、街に出ると当時の私とほとんど同じファッションの若者を見かける。世の中の変化の速度が上がっているのに対して、ファッションの変化は遅くなっているように錯覚する。

私の時代はファッション雑誌がファッションの流行り廃りを作ってきた。新しい流行りが来た時、それまで流行りだった服装を続けていると格好悪くなった。

ファッションのメインストリームの創造と消費刺激によってファッション業界の経済は回ってきた。でも今はそういう時代ではない。

今の若者はお金がないから頻繁に服を買い換える余裕がない、というのはよく挙げられそうな理由だ。しかし多種多様な商品をネットで安価に手軽に買える時代でもある。

ストリートやヒップホップ系のファッションが大きな変化なく続いているのは、SNSによって細分化が進んだ結果ではないかと思う。つまりメインストリームが起きなくなり、世間の流れに合わせてファッションを変える必要がなくなったのだ。

ファッションアイコンの寿命が細く長く続くようになったことも、ファッションが長く続く理由にあると思う。今まで彼らはテレビや雑誌で取り上げられなくなると目にする機会もなくなり、そのファッションも同時に廃れた。

SNSで個人発信できる今は、多くの人目に触れる全盛期を過ぎても一部のファンを繋ぎ止められる。ファンの彼らは安心してファッションを続けられる。

上の世代のファッショアイコンに憧れた若者の一部は、そのファッションを模倣して同世代のファッションアイコンになる。そうしてファッションは下の世代に継承される。

というふうにファッションの寿命がなくなっている一面があるのではないかと思う。

ちなみに私はストリートファッションからは卒業し、ジャケパンスタイルに落ち着きました。おっさんですからね・・・