実用的な本ばかり読む人の中には、小説はただの娯楽で時間を割いて読む価値がないと考えている人が一定数いるようだ。私も小説はただの娯楽として読むもので、人生の血肉となるものではないと思っていた。

しかし、とある本の中に小説には感情の比喩表現があり、それを知ることで自分の感情をその表現を用いて自己認識できるようになり、心情の制御が上手くなる、といったことが書いてあった。私はこれに深く納得した。

若い時、理由不明に不安を感じたりイライラすることがあったが、だんだんそういうことがなくなっていった。その理由をはっきりわかっていなかったけど、いろいろ小説を読んできたことがきっかけなのではないかと今は思う。

このことを認識してから小説も人生の血肉になるのだと認識を改めた。あとよくよく考えてみると、漫画のセリフの中にも自分の人生観に大きく影響を与えたことがあるし、なんでも読んでみるものだと思うこの頃である。