50代を前にして達観した精神状態になっていることに気づいた。今、生きることをとても楽に感じる。というよりは、強い不幸も強い幸福も感じないニュートラルな状態といった方がいい。

積極的に死にたいと思っているわけじゃないけど、もし明日余命数日と宣告されても「まあ、しょうがないか」と受け入れられそうでもある。母親が亡くなった今、自分にもう大切な人は誰もいないし、残していく誰かを案じることもない。

だからといって、人生に何の目標もないわけではない。日々やることはある。やりたいこともある。けれど明日人生が終わるとなって、それら全部達成することができなくなっても、特段悲しむこともなさそうだ。

仏教で言うところの中道のような精神状態である。この精神状態になれたのは今まで読んできた本の影響、そこそこの時間を生きてこれたという実感、あとは愛する者が誰もいないことと、それを寂しいことだと思わないことだろう。