警視庁の統計によると1年間の行方不明者は、70代、80代それぞれ1万人くらいいるらしい。この歳で自らの意思で消息を断ち、どこかで暮らしているというのはあまりないように思う。

ただし病苦による自殺は考えられる。自分の自殺姿を家族が見てトラウマになると良くないと、ひっそり人目につかないどこかで自殺しているというのは考えられる。

それ以外は積年の恨みによる殺人を想像してしまう。今、私は田舎に住んでいるが、夜になると街灯もなく真っ暗だ。山の方は人が立ち入らない場所も多い。死体を埋めても永遠に見つからなさそうだ。

人目につかない深夜、寝込みを襲って車でさらって人の立ち寄らない山に埋め、そのまま行方不明として扱われているケースは、くだんの1万人に含まれていそうな気がする。

誰かに恨みを買って、その誰かが本気で殺すと決めたら、ほとんどの人は逃れられないと思う。お金や地位はいざという時、自分の命を守ってはくれない。高いセキュリティの家に住んでいたり、ボディーガードでも雇っていない限りは。

粗暴な態度のまま年老いていく人には想像力が足らないように思う。恨みを買わないまでも自分がお金を持っている事を、むやみに他言しない方が良いのだから。