私の学生時代の成績は平均的なものだった。中学の時は自分なりに努力したが、せいぜい中の上くらいの成績にしかならなかった。このままだと凡庸でつまらない人生を送ることになりそうで、それがとても嫌だった。
何か一つ、これだけは人より秀でたスキルを身につけたい。一点突破で世渡りできるようになりたい。そう思い大学の時はプログラミングに明け暮れた。
その甲斐あって希望の会社に就職することができ、同年代の平均より高い給料をもらえるようになった。その後、独立してからもほぼプログラミングスキル一本で不自由なくやってこれた。
それからさらに時間が流れ、プログラミングはだんだん簡単になっていった。最近はAIのサポートもあるし、プログラミングの敷居は年々低くなる一方である。
そんな時代の今は一つのプロフェッショナルスキル一点突破より、器用貧乏の方が生存戦略として有効に思える。
外国語にしろプログラミングにしろ基本的なことがわかっていないと、AIが出した答えが正しいのかどうか評価することはできない。
例えばAIに日本語を英語に翻訳してもらった時、英語はある程度わかるので誤訳になっている単語がないか検証できる。しかし中国語や韓国語は全然わからないので、誤訳が含まれているかどうかの検証はできない。
これはプログラミングも同様である。プログラミングの基礎がわかっていないと、AIが出力したプログラムが本当に自分がやりたいことを実現してくれるものなのか、バグが含まれていないかを検証できない。
ただし一定のレベルに到達していれば、大抵のことは検証はできると思う。複数の事柄をそこそこ理解しているレベルで、AIの出した答えを繋ぎ合わせやりたいことを形にしていく。こういったことができる方が、今は生存戦略として有効に思う。
というわけで最近の私は、そこそこできることを増やすよう心がけている。